妻の借金が発覚!夫の返済義務やするべきこと・離婚の際の注意点とは

突然妻の借金が明らかになったとき、夫としては、今後の生活についてさまざまな不安が浮かんでくるでしょう。

これ以上問題を大きくしないため、早急な判断や対処が求められるケースも少なくありません。

妻の借金が夫の生活に与える影響や、夫自身の返済義務について、また離婚についてもわかりやすく解説します。不安解消のための基礎知識として、ぜひ役立ててください。

  1. 妻の借金は基本的に妻のもの!夫婦でも返済義務はない
  2. 【例外】妻の借金で夫に返済義務が生じる3つの事例
    1. 1.夫が妻の借金の保証人・連帯保証人になっている場合
    2. 2.妻が夫の名義を使って借金していた場合
    3. 3.妻が「日常家事」のために借金していた場合
    4. 相手が闇金の場合は要注意!
  3. 妻が借金を返済できない場合はどうなる?生活への影響
    1. 金融業者からの督促がスタート
    2. 妻がブラックリストに登録される
    3. 妻の財産が差し押さえられる
  4. 妻の借金がわかったら…夫がするべきこと4つ
    1. 1.借金の全貌を明らかにする
    2. 2.借金の理由について夫婦で話し合う
    3. 3.これ以上借金をしないよう対策を講じる
    4. 4.自身の今後について検討する
  5. 怪しい…けど証拠がない!妻が借金しているかわからない場合の対処法
  6. 妻の借金を理由に離婚は可能?判断のポイントを知ろう
  7. 【親権・返済・財産分与】離婚時に気になる3つの注意点
    1. 妻に借金があっても夫が親権を取れるとは限らない
    2. 離婚後に返済義務を負うことは基本的にない
    3. 妻の借金が夫に財産分与されることはない
  8. 離婚を選ばない場合の対処法は?問題解決のための方法
    1. 夫が借金を肩代わりする
    2. 具体的な借金返済計画を立て実行する
    3. 債務整理を検討する
  9. 妻の借金を債務整理!夫に与える影響とは
  10. 妻の借金が明らかになったら?まずは冷静に「調査」をスタート

妻の借金は基本的に妻のもの!夫婦でも返済義務はない

妻が夫に内緒で借金を抱えている事実が明らかになった際、自分自身の返済義務がどうなるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

まず明らかにしておきたいのは、基本的に借金とは、「その人個人が負うもの」という事実です。妻が自分で借金をしていた場合でも、「夫だから」という理由で、肩代わりを求められるようなことはありません。

今回は「妻の借金が明らかになった際の夫」の立場で説明していますが、立場が逆でも同じです。夫個人の借金について、妻が返済義務を負うことはありません。

夫婦の間に子どもがいる場合、子どもに返済義務は生じるような恐れもありませんので、まずは安心してください。

とはいえ、妻名義の借金であっても、夫に返済義務が生じるケースがあるのも事実です。注意が必要な3つの状況については、次項目にて詳しく解説します。

【例外】妻の借金で夫に返済義務が生じる3つの事例

妻が個人で借金をして、その請求が夫の元に来るなんて…釈然としない思いを抱えてしまう方も多いのではないでしょうか。

しかし以下の3つの事例においては、夫への請求を免れられません。該当する場合は、注意してください。

1.夫が妻の借金の保証人・連帯保証人になっている場合

基本的に、借金は個人が負うもの。こうしたシステムの例外とも言えるのが「連帯保証人」や「保証人」です。

連帯保証人とは?
借金返済において、借金をした本人と同等の責任を負う人のこと。契約者本人が借金を返済できる状態かどうかにかかわらず、返済を求められる可能性がある。
保証人とは?
借金をした本人に返済が難しくなった場合、返済義務を負う人のこと。保証人よりも重い責任を持つことになる。

妻一人ではローンを組めない場合に、夫が保証人や連帯保証人になるケースは珍しくありません。過去に連帯法証人欄にサインをしていたり、それを認める発言をしたりしていないか、よく思い出してください。

妻が勝手に夫の印鑑を持ちだし、知らない間に連帯保証人にしているような場合は、弁護士に相談してみましょう。状況次第では、契約無効と判断されるケースもあります。

2.妻が夫の名義を使って借金していた場合

通常、借金の申し込みは厳格な本人確認の上で受理されるもの。しかしインターネット上でのやりとりが増加した今、より手軽に申し込みできるケースも増えてきています。

たとえば、妻が夫の運転免許証をもとに、夫名義で借金の申し込みをした場合、店頭申込なら即断られてしまうでしょう。

しかしオンライン形式での申し込みなら、手続きしている人が身分証明書と同一なのか、判断することはできません。妻が夫名義で借金をするのは、決して難しくはないのです。

この場合、実質的に借金をしているのが妻であっても、借金の契約者は夫とみなされます。当然、金融業者からの督促は、夫名義で届くでしょう。

3.妻が「日常家事」のために借金していた場合

もう一つ、注意しなければならないのが、日常家事債務についてです。

日常家事債務とは、夫婦が共同生活を送る上で、一般的に必要と思われる範囲で生じる債務のこと。こちらについては、「夫婦が共同で責を負うべき」と考えられています。

つまり、たとえ妻が勝手に借金をしていたとしても、その目的が「夫婦が公平に負担するべき項目」に当たれば、夫にも返済義務が生じるというわけです。

では具体的に、どういった支払いが日常家事債務に当たるのでしょうか。

  • 家賃
  • 食費
  • 日用品費
  • 教育費
  • 医療費
  • 電気代やガス代、水道代 など

参考:日常家事債務 – 沖縄離婚問題相談所 サカイ行政書士事務所 離婚協議書作成、離活サポート、離婚問題の相談

何がどの程度「日常生活に必要なのか?」は、個々の状況によって異なるもの。よって、個別に判断されるケースがほとんどです。

妻が借りたお金で自分の趣味の物を購入していたり、浪費していたりした場合は、夫に返済義務は生じません。一方で、「生活費が足りないために借金を繰り返していた」という場合には、夫にも返済義務が生じる可能性が高いでしょう。

相手が闇金の場合は要注意!

もう一点、注意しなければならないのが、妻の借入先が闇金である場合です。

法律的に見て「夫に返済義務はない」と判断される場合でも、闇金には関係ありません。もともと法律を守らずに営業しているわけですから、法律をもとにした理屈は通用しないでしょう。

闇金にとっては、少しでも多くのお金を回収することが目的で、そのための手段は選びません。妻個人の借金であっても、家族のもとへ取り立てが来る可能性は十分にあります。

闇金が相手の場合、一刻も早く問題を解決する必要があります。闇金問題を積極的に扱っている弁護士事務所に相談するのがおすすめです。

妻が借金を返済できない場合はどうなる?生活への影響

ここからは、妻が借金を返済できない場合の影響について見ていきましょう。あくまでも妻個人の借金であり、夫に返済義務が生じないケースについて解説します。

金融業者からの督促がスタート

妻が自身の借金を返済できなかった場合、妻に対する督促がスタートします。

  • 電話
  • 封書
  • はがき
  • 訪問

さまざまな手法で、金融業者は妻に対して、借金を返済するよう求めるでしょう。返済が滞った場合、その期間に応じて遅延損害金が加算されます。

自宅に電話が来たり訪問されたりする機会はあっても、その対象はあくまでも「妻」です。夫に何らかの責務が発生することはありません。

参考:支払督促 | 裁判所

妻がブラックリストに登録される

返済が滞ってから2~3ヶ月が経過すると、金融業者は信用情報機関に「事故情報」を登録します。いわゆる「ブラックリスト入り」と言われる状態です。

参考:指定信用情報機関のCIC

ブラックリストに登録された場合、以下のような影響があります。

  • 新たなローンが組めない
  • クレジットカードが作成できない
  • 所有しているクレジットカードを使用できない
  • 人の借金の保証人や連帯保証人になれない
  • スマートフォン本体の月賦払いができない

ただしこちらも、あくまでも「妻名義のみ」です。妻がブラックリストに登録されても、夫が何らかの制限を受けることはありません。

夫名義でなら新規ローンも問題なく組めますし、クレジットカードの使用も可能。夫のクレジットカードで家族カードを発行し、それを妻に持たせることもできます。

妻の財産が差し押さえられる

金融業者からの督促を無視し続けた場合、裁判所での手続きを経て、差し押さえが行われます。この場合、対象となるのも「妻が所有する財産のみ」です。

妻の給料の一部が差し押さえられたり、妻名義の財産が処分されたりします。この場合も、夫の財産は対象になりません。

この場合、注意したいのは不動産や車の「名義」についてです。もし家や車が「妻名義」であれば、差し押さえを避けるのは困難に。日常生活で必要な足や住む場所を、失ってしまう可能性もあります。

参考:第47条関係 差押えの要件|国税庁

妻の借金がわかったら…夫がするべきこと4つ

突然妻に借金があることがわかったら、混乱する方も多いでしょう。まずは冷静に、夫としてするべきことをこなしていきましょう。

4つのポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

1.借金の全貌を明らかにする

妻が借金をしていることが明らかになったら、まずはその全貌解明に努めてください。必要な情報を収集しましょう。

借入先の名称と数 どこからお金を借りているのか?
何社からお金を借りているのか?
契約者名 誰の名前で契約しているのか?
保証人や連帯保証人はどうなっているのか?
借入総額 これまでに総額でいくら借りているのか?
過去の借入実績や回数 いつから、何回お金を借りているのか?
返済額 毎月いくら返済しているのか?
現在の返済状況 毎月滞りなく返済できているのか?
返済のためのお金はどこから確保しているのか?
完済できる見込みがあるのか?
督促や延滞について 過去に督促を受けたり、延滞したりしたことはないのか?
担保について 借金をする際に家や車を担保にしていないか?

借金に関するリサーチの基本は、妻への聞き取りになるでしょう。とはいえ、妻に後ろめたい気持ちがある場合、すべての情報を明らかにしてくれない可能性も十分にあります。

この場合、妻の同意のもとで金融業者のマイページにログイン・情報確認したり、信用情報機関に問い合わせたりする必要も出てくるでしょう。

2.借金の理由について夫婦で話し合う

借金に関する情報が明らかになったら、もう一点、ハッキリさせておきたい部分があります。それが、「妻が借金をした理由」についてです。

「いったいなぜ借金をしたのか?」は、夫婦の今後を考える上で重要なポイントです。突然の借金問題発覚を受け入れられるかどうかも、ここにかかっていると言っても過言ではありません。

ちなみに、妻が夫に内緒で借金をする理由で多いのは、以下のようなパターンです。

  • 生活費の補填
  • 趣味のため
  • ギャンブル
  • 買い物依存症
  • 異性関係

もし借金の理由が「生活費の補填」であれば、夫自身にも返済義務が生じる可能性が高いです。またギャンブルや買い物依存症が原因なら、適切な治療が必要になるでしょう。

今後の生活について適当な対策をするためにも、「借金の理由」は必須です。感情的になりがちなポイントではありますが、できるだけ冷静に、妻の思いを明らかにしてください。

3.これ以上借金をしないよう対策を講じる

夫婦の借金問題をこれ以上広げないため、これ以上借金しないようにするための対策も必須です。具体的には、以下のような方法をとってみてください。

  • 夫が家計管理を担う
  • クレジットカードを持たせない
  • 貸付自粛制度を活用する

夫が家計を握り、妻はお小遣い制にすれば、妻の周囲のお金の流れはシンプルになります。「つい借金をしてしまう」というパターンには非常に効果的です。

またクレジットカードは支出額が見えにくくなりがちです。銀行口座からすぐにお金が引き落とされるデビットカードなら、使い過ぎを予防できます。

貸付自粛制度とは、事前に本人から申告しておくことで、申し込みをしても貸付されないようにできる制度のこと。申告先は日本貸金業協会または全国銀行個人信用情報センターのどちらかです。

申告すると自粛情報が信用情報機関に登録されるため、どの金融業者で申し込みした場合でも、借入は不可能になります。

貸付自粛制度の申し込みは「本人のみ」で、たとえ配偶者であっても勝手な申告はできません。夫婦間でよく話し合って、利用を検討する必要があるでしょう。

参考:貸付自粛制度について 【借金などでお悩みの方へ】 | 日本貸金業協会

4.自身の今後について検討する

妻の借金が明らかになった場合の感じ方は、人それぞれで異なるもの。さまざまな情報が出そろったら、自身の今後についても冷静に検討してみましょう。

今後については、大きく2つの道が考えられます。

  • 夫婦で協力して借金問題解決を目指す
  • 離婚して別々の道を歩む

どちらの道を選ぶのかは、これまでの関係や借金の理由、今後に対する考え方によっても変わってくるでしょう。一概に、どちらが「正解」とは言えないからこそ、自分自身で冷静に検討する必要があります。

怪しい…けど証拠がない!妻が借金しているかわからない場合の対処法

妻に借金の気配があるものの、証拠がない…という場合には、以下の点に注目してみてください。真実を知れる可能性があります。

  • 妻あての郵便物の差出人をチェックする
  • 妻あての電話が増えていないか確認する
  • 利用明細が捨てられていないか探してみる
  • ローンカードがないか確認する
  • クレジットカードの利用履歴をチェックする
  • 浪費の影がないかどうか確認する

借金の証拠を家族に対して完全に隠し通すのは難しいもの。特に妻が借金を延滞している場合には、金融業者からのアプローチが増えますから、夫が事態を把握するケースも多いようです。

ただし、実際のところは、本人から聞き出す以外に方法はありません。夫婦間で話し合いの場を設けてみてください。

妻の借金を理由に離婚は可能?判断のポイントを知ろう

妻の借金を理由に「離婚」を検討し始めた場合、気になるのが「そもそも借金は離婚事由として認められるのか?」という点です。

夫婦が離婚する場合、以下のような方法があります。

  • 協議離婚
  • 調停離婚

協議離婚とは、夫婦が話し合って離婚を決定する方式です。どのような理由であれ、夫婦間で合意が取れれば離婚は可能。もちろん、「借金」についても例外ではありません。

一方で、夫が離婚を望んでも妻が望んでいない場合、離婚が認められるか裁判で争うことになります。婚姻関係が破たんしているかが、争点になるでしょう。

たとえば、「不貞行為」や「3年以上の生死不明状態」は、婚姻関係が破たんしているものとみなされ、双方の合意がなくても裁判によって離婚が認められます。

「借金」が理由の場合、それが「婚姻関係を継続しがたい重大な事由」に当たるかどうかが、非常に重要なポイントになるでしょう。

妻の借金が「生活費のため」であれば、夫が一方的に「婚姻関係を継続しがたい重大な理由」と主張するのは無理があるでしょう。

一方で、「何度も借金問題が繰り返されている」「借金問題に関連して、暴力や暴言といった問題がある」「借金がきっかけですでに別居している」といった状態であれば、離婚が認められる可能性も高いです。

参考:夫婦関係や男女関係に関する調停 | 裁判所

【親権・返済・財産分与】離婚時に気になる3つの注意点

借金を機に妻との離婚を検討する場合、今後の生活に関わる細かな条件が気になる方も多いでしょう。親権・返済・財産分与の3点について、それぞれ注意点を解説します。

妻に借金があっても夫が親権を取れるとは限らない

妻の借金問題がきっかけで離婚を検討する場合、夫としては「当然自分の方に親権が認められる」と思うこともあるかもしれません。

しかし現実には、親権問題と借金問題は分けて判断されるもの。日本の裁判所の判断では、父親ではなく母親の方に親権が認められる事例がほとんどです。

これは、過去の子どもへの関わり方が「実績」として判断されるため。子どもの身の回りの世話や日々の送り迎え、行事への参加など、父親ではなく母親が主となって担う家庭は多いものです。こうした事情が考慮され、子どもの福祉のため、母親に親権が認められるケースが少なくありません。

父親が親権を取るためには、自身の実績を積極的にアピールすると共に、母親と子どもの関わり方について、積極的に伝える必要があるでしょう。また子ども自身との関係性も重要視されます。

妻と離婚し、さらに親権も取りたいと考えるのであれば、離婚問題に強い弁護士に相談しましょう。アドバイスをもらえるはずです。

離婚後に返済義務を負うことは基本的にない

最初にお伝えしたとおり、借金とは個人が背負うものであり、たとえ夫婦であっても、人の借金を返済する必要はありません。離婚後も同様です。

夫婦が離婚して別々の生活を送るようになれば、借金返済による家計へのあおりを受けることもありません。妻(元妻)の借金による影響を、感じる恐れもないでしょう。

ただし、借金の原因が日常家事債務であったり、夫が連帯保証人になっていたりする場合は別。離婚して他人同士になったとしても、借金を返済する義務は残ってしまいます。

妻の借金が夫に財産分与されることはない

財産分与とは、離婚する夫婦が、婚姻中に築き上げた財産を分けることを言います。

財産分与で注意しなければならないのは、プラスの資産だけが分与の対象になるわけではないという点。ローンや負債など、マイナスの資産も財産分与の対象になります。

ここで気になるのが、「妻が個人で作った借金も財産分与されてしまうのか?」という点。この場合、借金は妻個人の責任であるとみなされます。財産分与の対象外と判断され、その他の財産を分けることになるでしょう。

ただし借金の名義が妻であっても、「住宅ローン」や「教育ローン」など、夫婦が共同で負うべき債務と考えられる場合は、財産分与の対象になります。借金の内容にまで注目してみてください。

離婚を選ばない場合の対処法は?問題解決のための方法

ここからは、夫婦が協力して借金問題を解決するための方法を紹介します。離婚を選ばない場合、早急に行動に移してみてください。

夫が借金を肩代わりする

借金とは、借りている金額が大きく、期間が長くなればなるほど、総返済額が増える仕組みです。

妻が借金を抱えている場合、いったん夫が肩代わりして完済する方法があります。肩代わりした事実を正式な書面に残しておきましょう。

夫に返済義務がない借金を肩代わりした場合、どのような形で返済してもらうのか、事前に明らかにしておくことが大切です。事前に契約書を交わしておけば、将来的に離婚問題に発展した場合でも安心できます。

具体的な借金返済計画を立て実行する

家計のやりくりの中で借金を返済していく場合、早急に借金返済計画を立てましょう。収入と支出、そして毎月の返済額を明らかにします。

返済スピードをアップするためのコツは、以下のとおりです。

  • 毎月の支出を見直し節約する
  • 固定費を削減する
  • 収入増加を目指す
  • より低金利のローンに借り換えする
どのような手段を取ると効果的なのかは、それぞれの家計状況によって異なります。ファイナンシャルプランナーなど、お金のプロに相談するのもおすすめです。

債務整理を検討する

妻の借金が返済しきれないほど膨らんでしまっている場合は、債務整理を検討してみてください。法的に認められた手続きで、借金の返済負担を軽減できます。

具体的には、以下のような方法があります。

任意整理 債権者と債務者が、裁判所を通さずに直接和解について話し合います。任意整理を申し入れ、債務者側が受け入れてくれれば、将来利息をカットした上で、3~5年での元本分割返済に落ち着くケースが多く見られます。
手続きするためには、安定した収入と返済意思が必要です。
個人再生 裁判所を通して、借金の元本を大幅に減額するための手続きです。再生計画案が認められれば、最大で5分の1から10分の1にまで圧縮された借金を、3~5年で分割返済します。
手続きするためには、安定した収入と返済意思が必要。住宅ローン特則によって、マイホームを守れる可能性もあるでしょう。
自己破産 すべての借金の返済義務がチャラになる代わりに、一部を除いて、自身の財産も処分する手続きです。手続き後に借金を返済する必要はありません。
手続きするためには、返済不能に陥っていること、免責不許自由に当てはまる点がないことなどが求められます。

返済が難しいほどに膨らんでしまった借金でも、債務整理をすれば、問題を解決できる可能性が高いです。できるだけ早めに検討してみてください。

また、妻の借金で債務整理をする場合、手続きをするのはあくまでも「妻自身」です。配偶者であっても、夫が勝手に話を進めることはできません。夫婦が協力して、手続きを進めていくのがベストでしょう。

妻の借金を債務整理!夫に与える影響とは

債務整理を行った場合、借金の返済負担は軽減されるでしょう。しかしデメリットがないわけではありません。

  • ブラックリストに登録される
  • 官報にて、債務整理の事実が公告される(※個人再生・自己破産)
  • 手続き中に引っ越しや旅行の制限を受ける(※自己破産)
  • 手続き中は、一定の職業に就けない(※自己破産)

妻が債務整理をする場合、「夫である自分にはどういった影響が出るのか?」が気になる方も多いでしょう。

まず確認しておきたいのは、債務整理をするのはあくまでも「妻」であること。よって、夫の生活に直接影響が出ることはありません。

夫名義でのローン申し込みやクレジットカード利用が制限されるわけではありませんし、官報に名前が記されることもありません。夫自身が各種制限を受ける恐れもないのです。

ただし、マイホーム購入で妻と一緒にペアローンを組むのは難しいでしょう。夫が単独で審査に通過する必要があります。

また、夫が妻の借金の保証人になっている場合、2人同時に債務整理手続きを進めていく必要があります。この場合は、夫名義でも債務整理が行われることになりますから、妻と同様のデメリットが発生してしまいます。

妻の借金が明らかになったら?まずは冷静に「調査」をスタート

妻の借金が明らかになったら、まずは冷静になりましょう。今後の生活のためにも、重要なのは「正確な情報」です。

借金に関する情報はもちろん、借金をした理由や家計状況についても、しっかりとチェックしてみてください。その上で、今後どうするべきか考えるのがおすすめです。

借金を返済しきれない場合も、借金問題をきっかけに離婚を考える場合も、まずは一度弁護士に相談してみてください。専門家に相談することで、これから自分が何をすれば良いのか、具体的に見えてくるでしょう。